『俎上の鯉は二度跳ねる』は『窮鼠はチーズの夢を見る』の続編にあたります。
大倉忠義さん、成田凌さん主演、行定勲監督の
2020年公開の『窮鼠はチーズの夢を見る/俎上の鯉は二度跳ねる』は、2作品を編集したものになりそうです。
『窮鼠はチーズの夢を見る』のラストで、遂に‼一線を越えた恭一と今ヶ瀬!
今ヶ瀬の前に新たなライバルが現れたり、二人の関係がより複雑になって混迷し、ドッロドロの恋愛の中で揉まれていきます‼
そしてその先にあるものは――⁉
恋愛の不条理を描き、切なくも思わずう――んとうなってしまう結末は、見事です‼
『俎上の鯉は二度跳ねる』は、
「憂鬱バタフライ」「黒猫、あくびをする」「梟」「俎上の鯉は二度跳ねる」の構成になっています。
目次
『俎上の鯉は二度跳ねる』あらすじ・ネタバレ
愛されてる男の余裕
どうしてこんなことになったんだろう…?
ベッドの中で、自戒する恭一に今ヶ瀬は
「粘着質のゲイにハメられるハメになった、貴方の半生ですか?」と身もふたもない言いようをする。
けれども、会社では恭一のことを、
彼女がいて、「愛されている余裕のある男」として見られていた。
実際、恭一は31歳で課長に昇進し、今ヶ瀬はそれを「毎朝のキスの賜物」ではないかと言っている。
恭一の変化
「俺と寝るようになってから、女と一度もしていないでしょう」と今ヶ瀬に指摘されて、
ドキリとする恭一。
「バックバージン散らされたくらいで、人生変わらない」と思いつつも、
自分が一生、経験するはずもなかった、「女側の立場」を経験したことは、恭一にとって大きかった。
それでも今の生活がこのまま続くのか?一過性のモノなのか?
恭一の想いは漠然としていた。
「彼女はいません」と断言する恭一
何よりも、いずれはここに帰るのかな…?と、
恭一は、会社でセクハラまがいに自分に気がある、岡村たまきのカラダをつい、じいっと見てしまい、
慌ててお茶をこぼしてしまう。
それをたまきは自分のハンカチで拭いた。
そのハンカチが蝶のレースで、妖艶だったことに、恭一は意外性を感じていた。
場を取り繕うために、恭一は今ヶ瀬の誕生日プレゼントのワインの相談をたまきにする。
今ヶ瀬のご所望は、「北京ダックが食べたい」という事だったが、
昇進祝いを貰ってる手前、「北京ダックだけではなぁ…」と、生まれ年のワインを送ろうと思っていたのだが、
たまきに聞くと、たまきの知り合いがワインに詳しいという事で、聞いてくれることに。
恭一から「5~6万」の予算と聞いて、たまきは驚き、
「彼女を大事にされているんですね…」と…。
それに対して、恭一はきっぱりと、「彼女はいません!」と断言したのだが――…。
恭一の優しさに浮かれる今ヶ瀬だったが…
恭一のサプライズプレゼントのワイン「ペトリュス」を、
もったいないから開けないという今ヶ瀬に、恭一は「来年またあげるから」と言う。
その言葉に嬉しくってたまらない今ヶ瀬。
すっかり酔って、眠り込んでしまった恭一。
そこに、たまきが恭一の書類を届けに来る。
すぐに今ヶ瀬は察知し、探りを入れる。
たまきのことを彼女か?――と。
たまきは慌てて否定し、
「恋人はいませんって、ご自分で仰ってましたよ」
一瞬にして、地獄に突き落とされる心境の今ヶ瀬。
今ヶ瀬ご所望の「北京ダック」を、二人で食べるも、せっかくの「北京ダック」が美味しくない…。
「彼女を誘えばよかったのに、俺はあなたの恋人でも何でもないんですから」
陰湿な嫌味や自虐を繰り返す今ヶ瀬に、遂に恭一はキレる。
「俺が好きでお前とメシを食ってるんだ!ガタガタ言うなよ‼」
キツく言われたことに、男らしかったと言う今ヶ瀬。
「先輩は、どうしてこんなにやさしくしてくれるんですか?」
「俺に恋愛感情があるんですか?」
答えに窮する恭一。
たまきが不倫⁉
恭一は、街の雑踏の中偶然、会社の常務と腕を組んで歩くたまきを見てしまう。
途端に、気持ちが冷めてしまう恭一。
見た目通りのコじゃなかったことに落胆し、傷ついた様子の恭一に対して今ヶ瀬は、
「男に掘られてストレス解消したいなら、ハッテン場にでも行ってくれば?」と、イラつくままに乱暴な言葉を投げつけた。
張り詰めた今ヶ瀬の心情
恭一が傷ついている姿を見て、傷ついている今ヶ瀬。
いずれ貴方は女のものになる人だ、分はわきまえている――と自分に言い聞かせるように繰り返すが、
恭一に優しくされればされるほど、苦しくもあった。
そして二人の関係は、あまりにも不安定で、拠り所のないものだった。
「俺が欲しいというのをやめたら、今すぐにでも、終わってしまう…!」
そんな今ヶ瀬を見て、今ヶ瀬の好きにさせる恭一。
今ヶ瀬に縛られ、抱かれる恭一。
本当は、今ヶ瀬の方が、縛られて抱かれたいのかもしれないと思いながら…。
翌朝、行ってらっしゃいのキスを何時ものようにする今ヶ瀬に、恭一は、自分からはっきりとキスを返した。
『俎上の鯉は二度跳ねる』ネタバレ・感想
今ヶ瀬の心境が、ピンと張りつめていて、
いつかその張り詰めていた糸が切れてしまいそうで、見ている方が辛いです…。(w_-; ウゥ・・
求めることを辞めてしまったら、終わってしまう関係って、確かにありますね…。(━_━)ゝウーム
それは日常の些細なことでも、人生の岐路でも――。
恭一の女性に強く出られたら、断り切れないというのは、どうやら幼少時の父親の影響というか、刷り込みなんですねぇ…。
そして、「自分のことを好きになってくれた人と、付き合おう」――て、無茶苦茶“受”っぽいんじゃないか?ヾ(--;)ぉぃぉぃ
このあたり、再三、今ヶ瀬に批判されてましたよねー。ォィォィ(;・・)ツ☆
その恭一が、自分からどう、“選択”して変わっていくかというのも見どころ!\(^o^)/
まとめ
『窮鼠はチーズの夢を見る』から『俎上の鯉は二度跳ねる』は、一段と濃厚になってきてます‼
肉体関係を持った二人でしたが、今ヶ瀬はより、深みにはまっていき、
恭一は未だにフラフラ…それでも、少しは今ヶ瀬に近づいているのか…?
果たしてそれが恋愛感情なのか――…?といったところでした。